東南アジアに住みつつ、香港で投資。税金面はどこに注意すべき?

Takayuki Fujima
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タイ、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア諸国に住みつつ、香港で会社設立をしたり投資をしている日本人も少なくありません。

これらの東南アジア諸国に住む理由は、リタイアメントビザなどを取得しやすいこと、物価が安いこと、ゴルフやダイビングなどを楽しみやすい環境でしょう。一方、香港で会社設立や投資をしている理由は、会社設立についての外資規制がないこと、金融商品の種類が豊富であること、キャピタルゲイン課税が無いなど税金面で有利であることなど投資環境が良いためででしょう。

さて、このような東南アジアに住みつつ香港で投資をしている日本人の場合、税金面について注意すべきポイントは何でしょうか?

その居住国では、外国での投資から得た収入に関する規則は、どうなっていますか?

日本の居住者の場合、外国法人(例えば香港法人)の株式を売却して売却益を得た場合や配当を得た場合、原則として課税されます。また、外国(例えば香港)で金融商品を購入して利子などを得た場合も、原則として課税されます。

では、他の国々の居住者の場合はどうでしょうか?

まず、香港居住者の場合を見てみましょう。香港では、香港法人の株式・外国法人の株式であるかにかかわらず、株式の売却益や配当に課税されません。ただ、外国法人の株式の場合、当該外国(例えば日本法人の場合であれば日本)で課税される可能性は残ります。

次に、タイ居住者の場合を見てみましょう。タイでは、タイの証券取引所に上場している株式のキャピタルゲインは非課税、外国会社の株式のキャピタルゲインは課税されるもののASEAN諸国の証券取引所に上場している株式の場合には一定条件を満たせば非課税と複雑です。

いずれにしましても、タイ、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア諸国を居住国として、日本や香港などで投資する場合、居住国における外国投資からの収益に関する規則を確認する必要があります。

BKK night

その居住国は、日本・投資先の国(例えば香港)との間に租税条約がありますか?

二国間の租税条約により、その二国間のクロスボーダーでの金銭の支払に課される税率が軽減される場合があります。

租税条約(租税協定)が無い場合、例えば、タイ・香港からの支払いに課される税率は以下の通りです。

■タイからの支払に課される税率

配当の支払:10%、著作権使用料:15%、特許・商標・意匠などの使用料:15%

■香港からの支払に課される税率

配当の支払:0%、著作権使用料:5.25%、特許・商標・意匠などの使用料:5.25%

しかし、香港・タイ間には租税協定があり、税率は、租税協定がない場合の元々の税率と協定による税率(下記)のうち低い方が適用されます。

■香港・タイ間の租税協定による税率

配当の支払:10%、著作権使用料:5%、特許・商標・意匠などの使用料:10%

このように、租税条約(租税協定)によって、各国の税率が修正されますので、租税条約(租税協定)も考えていく必要があります。

Manila Cathedral

そもそも、日本非居住者と断言できますか?

タイ、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア諸国に住んでいる皆さん、「自分は日本非居住者だ!」と思っているでしょう。

でも、そう簡単に「自分は日本非居住者だ!」と断言することはできません。

居住者か否かは、滞在日数のみによって判断するものでないことから、外国に1年の半分(183日)以上滞在している場合であっても、日本の居住者となる場合があります。また、1年の間に居住地を数か国にわたって転々と移動する、いわゆる「永遠の旅人(Perpetual Traveler, Permanent Traveler)」の場合であっても、その人の生活の本拠が日本にあれば、日本の居住者となります。

日本の税法上、「居住者」か否かが争われた訴訟として、武富士事件ユニマット事件が有名ですが、OWL香港でもこれまでに検討してきましたので、記事をご覧ください。

もし、「自分はタイ居住者だ」と思っていたとしても、日本の税務署は「日本居住者」と判断する場合、海外で得たキャピタルゲイン、配当、利子などに課税される可能性がある、ということになります。

タイに、マレーシアに、フィリピンに、住んでいます。どういう戦略で臨むべきですか?

OWL香港としては、二段構えの戦略をお勧めしています。

■一段目

①その方がタイ居住(マレーシア居住、フィリピン居住)であることを前提に、タイ(マレーシア、フィリピン)の課税、日本の課税、投資先(香港など)の課税を確認する。

②居住国(タイ、マレーシア、フィリピンなど)と、国籍国(日本)、投資先(香港など)との間の租税条約(租税協定)を確認して、有利なストラクチャーを考える。

■二段目

日本の税務当局から「日本居住者」と認定された場合に備え、「日本居住者」と認定されても問題ないよう、ストラクチャーを考える。

OWL香港ならではのサポート!

OWL香港的は、日本に財産・ビジネスをお持ちの方、香港で会社を持っている方、香港やその他のアジア諸国で投資をされている方が、どのような会社ストラクチャーにしていったら税金面で有利であるかについても、一緒に検討していきます。

また、OWL香港は、香港で既に会社設立をした方が、2018年の自動的情報交換に向けてどう対策をすべきかを一緒に考えていきます。

問い合わせ先(OWL Hong Kong Limited):info@owlhongkong.com

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