香港の保険商品、保険金受け取り等の手続は面倒?Nippon Wealth Bank 長谷川COOインタビュー (2)

Takayuki Fujima
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香港で昨年設立された金融機関Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(以下NWB)とマスミューチュアル・アジア保険会社は、2016年5月12日、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のPacific Clubで、記者会見・顧客向けセミナーを行い、業務提携拡大合意と新たな保険商品の販売開始を発表しました。

これまで、販売してきた終身年金保険やユニバーサルライフ保険に加え、新たに疾病保障保険などを追加するとのことですが、いずれも、日本国内で販売されている保険に比べ、予定利回りが高いこと、受取方法等で柔軟な対応が可能であることが特徴です。

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香港では日本に比べ有利な保険商品を購入可能との話を、インタビュー(1)で伺いました。さて、日本人が香港の保険商品を購入するうえで、手続が面倒ということは無いのでしょうか?

NWBのCOOである長谷川様に、OWL香港編集部がインタビューをしました。(以下、敬称略)

保険商品を購入するための手続は?香港ならではの購入方式は?

OWL:貴行に銀行口座を有していない人でも、貴行経由でマスミューチュアル生命の保険商品を購入することはできますか?

長谷川:当行で口座開設をしていない方でも、当行経由でマスミューチュアル生命の保険商品を購入することは可能です。当行で口座開設をするための最低金額は10万米ドルですが、当行経由でマスミューチュアル生命の保険商品を購入する場合の最低金額は、商品によって異なりますが、一時払いのものでも最低5万香港ドルです。

OWL:香港特有の保険商品購入方法として、プレミアムファイナンスがありますよね。これは、保険を担保に保険料を銀行から借りる方法ですので、いわばレバレッジを掛けて少ない手元資金で多額の保険商品を購入できます。このプレミアムファイナンスの方式で、貴社経由でマスミューチュアル生命の保険商品を購入することは可能でしょうか?

長谷川:プレミアムファイナンスのサービスは現在、行っていません。ただ、我々もお客様からの要望はいただいており、検討しています。

OWL:プレミアムファイナンスは、日本には無い有利な購入方法なので、是非実現して下さると嬉しいですね。

保険金を受領する場合などの手続は簡単?

OWL:被保険者が日本非居住でも保険金受取人が日本居住という場合もあると思います。典型例である親子の場合を例にとりますと、香港居住の親が亡くなって日本居住の子が保険金を受け取るような場合です。この場合、保険金を日本の銀行で受け取ることは可能でしょうか?

長谷川:保険金の送金は原則として香港の銀行宛てだけですので、日本の銀行宛てに送金してもらうことはできません。香港の銀行に口座を持っていない方の場合、マスミューチュアル生命に小切手を発行してもらい、日本の銀行にその小切手を差し入れるという形での保険金の受領は可能です。

OWL:保険金受取人が子供である場合、相続の問題も発生しますね。相続税はどのようになりますか?

長谷川:香港には相続税はありませんが日本には相続税がありますね。したがいまして、保険金受取人が子供で日本に居住している場合、日本の保険会社から保険金を受け取るときと同じく、日本で相続税がかかります。

OWL:この点では、日本の保険会社の生命保険に加入する場合と変わらない訳ですね。

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(香港の裁判所、Court of Final Appeal)

OWL:香港では相続手続が非常に面倒だと思います。プロベートという裁判所の手続が必要ですし、さらに、日本居住者が亡くなった場合には死亡証明を翻訳する手間まで加わります。保険金を受領する際には、どういう手続を取るのでしょうか?

長谷川:香港では保険金は相続財産に当たりません。ですから、プロベートの手続は不要です。受取人は、被保険者が死亡したことを証明する書類を保険会社に提出します。日本の死亡証明書であれば、それを英語または中国語に翻訳したうえで、公証役場で公証してもらい、それを提出すれば事足ります。保険会社は、死亡の事実が確認できれば、直接、保険金の受取人に支払いをします。

契約者自身が解約返戻金などを受け取る場合の手続は?

OWL:契約者=被保険者が日本非居住の間に生命保険に加入して、その後、日本に帰る場合もあると思います。日本帰国後に保険契約を解約する場合、解約返戻金などを日本の銀行口座で受け取ることは可能でしょうか?

長谷川:保険金の場合と同じく、解約返戻金も送金は原則として香港の銀行宛てだけですので、日本の銀行口座宛てに送金してもらうことはできません。香港の銀行に口座を持っていない方の場合、保険会社に小切手を発行してもらい、日本の銀行でその小切手を換金するという形での受領は可能です。

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(香港の小切手の例。)

OWL:契約者自身が解約返戻金を受け取る場合、解約時点で日本居住のケースも香港居住のケースもあると思いますが、それぞれ、どのような税金がかかりますか?

長谷川:解約返戻金を受け取る時点で香港居住であれば、課税はされません。しかし、日本居住者は、解約返戻金が払込金額を上回る場合、その差額が雑所得として課税の対象になります。

OWL:日本の保険業法上、日本居住者を被保険者とする生命保険に加入する・販売することはできないと理解しています。被保険者が日本非居住の間に生命保険に加入・販売した場合、その後、同被保険者が日本居住になっても保険業法上違法ではないという見解で宜しいでしょうか。

長谷川:はい、日本には、保険法という法律があり、その186条に、日本居住者が日本国外で保険を契約するには、内閣総理大臣の承認が必要と規定しています。従って、日本居住の個人の方が保険を申し込まれても、香港の保険会社の多くは、保険を引き受けません。しかし、日本非居住であれば、この規定は適用されません。そして、日本非居住の間に購入された保険商品は、その後に日本居住者になっても、そのまま保険商品を持ち続けることができます。

OWL:なるほど。一度香港に住所を持って日本非居住者になれば、日本の商品に比べて有利な香港の保険商品を購入できるし、その後で日本に戻ることも自由という訳ですね。本日は、お忙しいところ、貴重なお話を有難うございました。

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OWL香港編集部の感想

さすがに外国の保険商品ですので、日本に居住している人が、保険金や解約返戻金の受け取るには、日本の保険商品に比べると、少し手の掛かる面があることは否定できないと思います。でも、有利な商品であることも事実ですし、またNWBは、その日本人にとっての面倒を少しでも払拭しようとしていると感じました。

また、日本の保険業法の関係で、日本居住者は、原則として、香港の有利な保険商品を購入できません。日本非居住であれば、これらの商品も購入できます。駐在期間中に保険を購入することも検討に値しますね。

日本非居住となるための簡単な方法などについては、OWL香港にお問い合わせ頂ければ、喜んで説明させて頂きます。

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問い合わせ先(OWL Hong Kong Limited):info@owlhongkong.com

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