香港で家探し①:どの不動産業者にお願いする?香港のタフな大家との交渉はどうする?

Katsumi Umezono
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どういう家に住むかによって、香港生活は大きく変わってきます。

これから香港に引越をしようと考えている場合、どうやって家を探すべきでしょうか?

そこで、不動産エージェントOKAY.COMのSenior Managerであるバーン宏子さんにお話をうかがいました。

香港でお子さんが通う学校が決まっているならば、スクールバスの来るエリアで家を探そう!

OWL:たとえば、東京に何年も住んでいれば、「次の家は代々木上原で探そう」とか「豊洲で探そう」とか、おおよその見当がつきます。でも、香港に初めて住む人が家を探す場合、香港のどのエリアで家を探してよいのかも分からないですよね。見当もつかず、悩んでしまいそうですが。

バーン:まず、お子さんがいるかいないかで違ってきますよね。もし、お子さんがいらっしゃって、通う学校が決まっているならば、スクールバスが来るエリアに住むことになります。でも、お子さんがいてもスクールバスのエリアにこだわらないとか、お子さんがいらっしゃらない場合は、そうした制約はありませんよね。

OWL:なるほど、お子様がいらっしゃらない場合、さらに、毎日朝から同じオフィスに通う必要のないビジネスオーナーの方のような場合、香港内のどこに住んでも良い訳ですね。

不動産業者は、その業者のある周辺エリアの物件しか紹介してくれない?

OWL:香港も広いです。例えば、レパルスベイ(香港島の南側)の物件を探したければ、レパルスベイ(香港島の南側)の不動産業者に聞かないと情報を得られないし、西貢(九龍半島の東側、海鮮で有名)の物件を探したければ、西貢の不動産業者に聞かないと情報を得られないでしょうか?

(The Repulse Bay – Nicholsonの一室からの眺め。OKAY.COMご提供の写真。)

バーン:まず業者や不動産業界の仕組みをお話させてください。特定の地区に根ざした小規模な業者と大手業者があります。さらに、大手業者にも、①チェーン店方式の香港の地場の不動産会社と、②オフィスがセントラル界隈にありつつも香港のメジャーな地域を網羅しているインターナショナルな会社があります。

①香港の地場の不動産会社は、各エリアに直営支店を持っています。各支店はそのエリアの物件情報のみに特化しています。そのため、他のエリアの物件を紹介することは互いの境界線を越えることになってしまうので、一定のルールや制約があります。そのため、他のエリアの物件紹介は他地区の支店との協業になります。

そのため、例えばレパルスベイの支店の人が西貢の物件を紹介するときには、レパルスベイの支店の人には極僅かの紹介料しか入らないのです。

だから、レパルスベイの支店の人は、レパルスベイの物件を一生懸命紹介するけど、他のエリアの物件については情報も知識もないため一生懸命紹介することは無い、人によっては、他のエリアについてはネガティブなことを言う人もいるくらいです。

OWL:他のエリアの物件情報は、社内のネットワークで見られないのですか?

バーン:香港の地場の大手会社は、情報を地区別に分けているので、他の地区の情報を見ることはできません。支店同士・同僚同士すべてが競争相手です。互いに手持ちの情報も開示しない場合も多々あります。

OWL:物凄く納得です。お金になる選択肢とならない選択肢があったら、お金になる選択肢を選ぶのは日本人も同じですけど、香港人の場合は、極端ですからねぇ。

香港中の物件を案内してくれる不動産会社もある!

OWL:香港に初めて住む人で、希望エリアが決まっていない場合、一つの不動産会社で、幾つかのエリアの物件を見せてくれる方が有難いですよね。

バーン:日本人駐在員は、太古(香港島やや東寄り)、そのすぐ隣の西湾河(香港島やや東寄り)、紅磡(ホンハム、九龍半島南部)などの一部に集中しているとはいえ、香港島西側、ミッドレヴェルズ、九龍半島側、さらに近年は沙田などの新界にも住むようになっています。ですから、日本人向けの不動産業者は、日本人駐在員好みの物件中心であるとはいえ、香港全体の物件を地場の業者との提携ネットワークを通して紹介を受けて扱うことができます。

OWL:駐在員向けよりもう少し高級な物件を、香港全体の物件から選びたい場合は、どうすれば良いでしょうか?

バーン:手前味噌になりますが、弊社OKAY.COMが良いと思います。一般的な駐在員向けの物件はもとより、世界12か国の言語を駆使する100人に近いエージェントが個々のコンタクトやネットワーキングを通して、日々情報を収集・更新しているだけでなく、あらゆる情報を共有しているため最新情報を最大量持っています。予算にゆとりのある富裕層向けの物件も多く扱っていますので、お役に立てると思います。

(OKAY.COM社内の様子。OWL編集部も同社を訪れて、不動産らしくない雰囲気に驚きました。)

契約期間は2年契約が基本だが、交渉可能!

OWL:契約期間はどの長さが一般的でしょうか?

バーン:2年契約で、1年間経過後に2か月ノーティスで借主から解約通知可能ということが多いでしょうか。つまり、最短で14か月ですね。

OWL:一般的でない条件で契約を結びたい場合、交渉をしてくださいますか?

バーン:すべて交渉可です。借主の希望に沿って、貸主側と交渉しますよ。相手とのギヴアンドテイクの論理のバランスで適正な条件を模索して成約につなげます。

OWL:例えば、3年契約とか4年契約のように、一般的な期間より長い期間の契約をお願いすることはできますか?

バーン:香港の家賃は常に上昇傾向にありますから、あまり長期間賃料固定というのは現実的ではありません。とはいえ、テナントの背景が優良であるなどの特別なメリットがあれば3年契約で、1年間経過後に2か月ノーティスで借主から解約通知可能という条件に持っていく例外的なケースもあります。

OWL:逆に短い契約も可能でしょうか?

バーン:かなり短い例では、1年契約で6か月経過後に1か月ノーティスで借主から解約通知可能というケースもあります。もちろん、個別的事情に応じて、できる限りの交渉はいたします。

大家=デベロッパーか、大家=個人かで大きく違う!

OWL:賃貸借の条件交渉は、大家さんと行う訳ですが、大家さんによって、交渉しやすい・しにくいという差はありますか?

バーン:香港の物件は、物件を開発したデベロッパーがそのまま保有して大家として貸し出す場合と、デベロッパーから分譲された物件を購入した個人大家が貸し出す場合とに分けられます。

バーン:デベロッパーが直接に貸し出す場合、部屋の広さ・フロア・周辺の物件の相場を考慮して貸出条件を決めますから、提示される条件は、不動産業者の目から見て常識的な内容です。

OWL:デベロッパーが大家の場合、条件が固まっているということは、交渉の余地が無いということですか?

バーン:そんなこと無いですよ。条件面の交渉は可能です。

バーン:一方の個人が大家として貸し出す場合、その大家次第で相当条件が変わってきますね。つまり、一つのマンションに多くの部屋がありますが、突出した妙に高い賃料を設定してくるような大家もいます。デベロッパーが直接に貸し出す場合、すべての部屋はだいたい標準装備なので大差はないのが普通です。でも、分譲の場合は同ビル内の部屋でも個々に大きく異なります。ビルが古くなるにつれその差が大きくなります。大掛かりに改装されたもの、10年経過しても手を入れてないものなど、様々なため、提示家賃は内容をきちんと理解したうえで適正かどうかを判断しましょう。

OWL:賃料以外の面で特色はありますか?

バーン:デベロッパーが大家の物件はアフターサーヴィスの問題がないといえるでしょう。すべてに対応がスムースですので安心です。

一方個人がオーナーの物件はまったく別です。香港の個人オーナー物件は、物件を紹介する仲介業者が物件の代理管理人ではないためすべてオーナーに直接折衝しなくてはなりません。責任感の薄いオーナーも大勢いるため要注意です。

OWL香港編集部より

後編では、日本人が外国暮らしをする時に気になる重要ポイントのセキュリティ、水回りなどを聞いていきます。

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