仮想通貨を保有している場合、財産債務調書・国外財産調書への記載・税務署への提出は義務?

Takayuki Fujima
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明けましておめでとうございます。2018年1月になりました。

2017年は、これまで水面下で関心を集めていた仮想通貨が一気に世間一般の関心事となった一年でした。

2017年12月1日、国税庁が「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」を公表!

国税庁もこの傾向を無視できず、2017年12月1日、「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を公表しました。

ここでは、仮想通貨の売却、仮想通貨での商品の購入、過疎通貨と仮想通貨の交換、仮想通貨の取得価額、仮想通貨の分裂(分岐)、仮想通貨に関する所得の所得区分、損失の取り扱い、仮想通貨の証拠金取引、仮想通貨のマイニング等について、見解が発表されています。

ところで、12月31日現在での財産に基づいて提出する必要のある財産債務調書・国外財産調書には、仮想通貨をどのように記載すべきでしょうか?

国税庁の12月1日発表には、財産債務調書・国外財産調書に関しては、示されていませんでしたが、何か手がかりはないでしょうか?

平成26年(2014年)3月、参議院での答弁

これまで、公式の見解が示された例としては、平成26年(2014年)3月、参議院の大久保勉議員による質問主意書に対する答弁があります。

見てみましょう。

答:一般論としては、所得税法第232条第1項に規定する明細書は、所得税法施行規則別表第10に定めるところにより、また、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第5条第1項に規定する国外財産調書は、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則別表第1に定めるところにより記載しなければならないとされている。

財産債務調書・国外財産調書に関する記載方法に従ってください、というだけですので、これでは何の答にもなっていないような気がしますが。。。

とはいえ、これを読んで分かることは、仮想通貨が財産債務調書・国外財産調書の対象にならない訳ではない、ということです。

仮想通貨の所在は、仮想通貨を有する者の住所、取引所に預けてある仮想通貨についてはその取引所の所在地か?

この参議院での答弁だけでは分からないので、色々調べてみたところ、国税庁の研修機関である税務大学校が発行する論文集「税務大学校論叢」の平成29年6月号に掲載された論文「仮想通貨の税務上の取扱い」に関連する記載がありました。

まず、財産の分類については、以下の記載がありました。

仮想通貨の財産の分類としては、その他の財産として記載が必要と考えられる。(435ページ)

まぁ、これは予想通りですよね。

では、仮想通貨の場合、どの場所にある財産というべきでしょうか?財産の所在場所に関しては、以下の記載がありました。引用が長いと皆さんがうんざりするでしょうから、結論だけの引用にします。

仮想通貨の所在は、居住者が有するものであれば国内の住所又は居所で、非居住者が有するものであれば国外の住所で、それぞれ判断することになる。

仮想通貨は、国内の販売所だけでなく、国外の販売所においても取得することができる。少なくとも、国外の販売所において取得し、その販売所において保有しているものは、銀行口座や有価証券の保有口座における判定とのバランス等から、国外財産とすべきと考える。

分かりやすくまとめますと:

●原則として⇒日本居住者の有する仮想通貨は日本国内の財産、日本非居住者の有する仮想通貨は日本国外の財産

●しかし、取引所に預けてある仮想通貨は、その取引所の所在地の財産

ということですね。

香港の取引所に関する限り、自動的情報交換制度(CRS)の適用なし

なお、日本国外の口座に財産を置いておく場合に気になるのが、自動的情報交換制度(CRS)です。

現在のところ、少なくとも香港に関する限りは、自動的情報交換制度(CRS)の適用はありません。それどころか、香港では日本と異なり、仮想通貨取引所に関する法規制が無いのが現状です。

仮想通貨をめぐる税の問題は、まだまだ議論されてきそうです。

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