以前、都市別の富裕層人口やその推移を記事に書きました。

今度は、彼ら富裕層はどのように富を得たのか、富を獲得した経緯に注目してみたいと思います。

2014年Forbes World’s Billionaires listで、日本人は27人、世界14位タイ

米国有数のシンクタンクであるピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics)の報告書「The Origins of the Superrich: The Billionaire Characteristics Database」の分析を見ていきましょう。

この報告書では、2014年Forbes World’s Billionaires listに掲載されたBillionaire 1,645人を、財産を得た経緯で分類、国ごとの特徴を論じています。(なので、Forbes World’s Billionaires listは毎年出されていますが、2014年版を使って検討していきます。)

本題に入る前に、ビリオネア(資産10億米ドル以上)の多い国の順に並べてみますと、日本は27人(世界14位)タイです。

2014国別ビリオネア人数

米国ピーターソン国際経済研究所の報告書は、財産獲得経緯を、(A) 相続と(B) 自力に分け、自力を、(B-1) 企業創業者、(B-2) 株主・経営者、(B-3) 政治的コネクション、(B-4) 金融に分類

財産を得た経緯は、(A) 相続(Inherited)と(B) 自力(Self-made)に二分したうえで、自力を、(B-1) 企業創業者(Company founders)、(B-2) 株主・経営者(Owners and executives)、(B-3) 政治的コネクション(Political connections and resource related)、(B-4) 金融(Financial sector)に分けています。

上位16か国のビリオネアが財産を得た経緯は、これら5つの分類の中でどれが多いか、答を見る前に是非想像してください。結構、国ごとの個性が出ますので。

相続で財産を得た割合の高いヨーロッパ・低い米国

ビリオネア、財産獲得経緯

グラフを見てみると、色々な傾向が見えてきます。この報告書を出したピーターソン国際経済研究所が真っ先に言及しているのは、米国は相続で財産を得た人の割合が低いのに対し、ヨーロッパは依然としてその割合が高いということです。

相続により財産を得た超富裕層の比率が、弱肉強食のイメージの強い米国や英国より、共同体主義的でリベラルなイメージの強いヨーロッパ大陸諸国の方が格段に高いというのは、リアルな数字で見せつけられると驚きです。

相続で財産を得た超富裕層の比率は、同じ東アジアでも国によって物凄い差があります。日本(18.5%)と台湾(17.9%)はほぼ同じです。が、韓国(74.1%)が物凄く高いのに対し、中国(2.0%)が物凄く低いのです。この報告書では、中国については、ビリオネアが増えてきたのが極めて最近であるので、相続で財産を得たビリオネアは少ないのだろうとコメントしています。

政治的コネクションで財産を得た超富裕層が半分以上を占めるロシア!

このグラフを見ていて、際立った特徴を示しているのが、政治的コネクションで財産を得た超富裕層を示す紫色の箇所です。

いわゆる先進諸国では紫色の比率が一桁台と低く、特に日本の場合は0%(これは政治的な透明さを示すものとして誇ってよいでしょう)なのですが、ロシアだけは、64%と異常な高さを示しています。

ロシアの場合も中国と同じく、相続で財産を得た超富裕層が非常に少ない(0%)のですが、これも、ロシアで超富裕層が生まれたのが、ソ連崩壊後と極めて新しく、相続の段階に至っていないことを示していると思われます。

その一方、1990年代以降、財産を急激に増やしてきたのは、天然資源などの事業を政府から格安で払い下げを受けた、オリガルヒ(Олигархи, Oligarch)などと言われる、政権と癒着した新興財閥です。ロシアの石油王として財産を築き、イングランド・サッカー・プレミアリーグのチェルシーを2003年に買収したことで有名な、ロマン・アルカディエヴィッチ・アブラモヴィッチ(Рома́н Арка́диевич Абрамо́вич, Roman Arkadievich Abramovich)はその典型例ですね。

香港では、李嘉誠がナンバーワン!

人数を見ると、香港は45人のビリオネアが挙がっており、世界第8位です。人口わずか700万人ということを考えると、ビリオネア率は非常に高いですね。

香港ナンバーワンは、長江グループの創業者、李嘉誠(Li Ka Shing)で資産310億米ドル(約3.1兆円)でした。

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彼自身がそうであるように、香港は、相続以外の形で財産を築いた人も多く、内訳をみると、企業創業者、株主・経営者、金融といった経緯で財産を築いた人々の比率が多いようです。また、現在の香港は相続税が無いこともあり、相続で財産を得た超富裕層も比較的多いと言えます。総じて、香港の超富裕層の財産獲得経緯は、どれか一つに偏ることなく、バランス良いと言えます。

超富裕層の比率が非常に高いこと・財産獲得経緯がバランス良いことからも、香港が富裕層にとって住みやすい都市であることを窺い知ることができそうです。

香港移住を考えている方、OWL Hong Kong Limitedにご相談ください。

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