企業オーナー様・個人富裕層の方々から日本でされているビジネスのお話を伺うと、「流石は富裕層、情報収集力が高いし、こうして財産を増やされているんだな。」と勉強させて頂くことばかりです。

ところが、こうした富裕層の方々でも、海外で投資・ビジネスをするときには、うっかりミスをしてしまうこともあるようです。

今回は、弊社で過去に扱った問題ある事例をベースに、海外での資産管理で起こりうる問題について書いてみます。(注:事例は、元の案件を特定できないよう、弊社編集部で修正を加えたものです。)

日本でパチンコチェーン経営者で不動産長者の方、海外で投資を開始。

弊社のお客様のお一人で、パチンコチェーンのオーナー経営者をしつつ、日本国内で数多くの不動産(オフィスビル、商業ビル、住居用賃貸物件)をお持ちのお客様がおられます。

日本でのビジネスは、ご自身が業務をまわさなくても問題ないレベルになっていたため、番頭格の方にほぼ委ねられ、海外でのビジネスチャンスを探るべく、海外をまわり始めました。

そんな中、タイのバンコクを気に入り、コンドミニアムを購入され、日本、バンコク、その他の国々を回りながら生活されるようになりました。

日本の実業家が「バンコクのホテル」を結局買わなかったワケ

良いホテル投資案件が舞い込んだ!

タイのバンコクで幾つかコンドミニアムを投資されていたのですが、「タイの不動産業者から耳よりのホテル投資案件を仕入れた。」と弊社にいらっしゃいました。

物件の資料を見たところ、ビジネスの中心地にも歓楽街にも行きやすい場所なうえ、高架電車の駅からも比較的近く、ホテルの場所は良さそうです。しかも、ホテルの様々な財務データも既に得ていたのですが、見ると、稼働率や財務データも悪くなさそうです。

「悪くなさそうですね。」と言ったところ、お客様は、「ぜひ、現場で実際に確認して、良さそうならば、購入まで手伝って欲しい。」とのことでした。

なんと、このホテルはライセンスが無かった!

ホテルとなりますと、単なる不動産の購入というより、企業買収の色が強くなります。

企業買収のときには、「デュー・ディリジェンス」(「Due Diligence」)と言われる、売り手から情報を出してもらったうえで精査する作業をします。弁護士が中心になって行う法務デュー・ディリジェンス、会計士が中心になって行う財務デュー・ディリジェンスなどがありますが、ホテルビジネスのように規制業種の場合、ライセンスを取得しているか否かは、法務デュー・ディリジェンスの中で必須の項目です。

ですから、お客様と一緒に会った不動産業者を目の前にして、当然のように、聞きました。OWL「ホテルのライセンスはありますよね?」

不動産業者「え、、、確認してみます。」

—–数時間後—–

不動産業者「ホテルのライセンスは無いようですね。。。でも、ホテルのライセンスが無くても、営業できていますし、バンコクのホテルでライセンス無しで営業しているところは多いので、問題ないですよ。」

案件を持ってきた不動産業者は、ホテルライセンスが無くても営業できるというのだが、、、

このホテル案件を持ってきた不動産業者は、ホテルライセンスが無くても実際に営業できているから問題ない、と言うものの、このホテルが売れれば自分にフィーが入ってくるということで適当な出まかせを言っている可能性もあり、きちんとした確証を得なくてはまずいでしょう。

本当は、こうした確認をするのがDDであり、弁護士が確認していくのが筋なのですが、まだこの段階では、お客様は、弁護士報酬をきちんと払ってDDをやろうという気持ちになっていらっしゃらなかったので、仕方ありません。

元々接点のあるグローバルチェーンの不動産業者や弁護士などにお願いして調査していくしかありませんでした。

グローバルチェーンの不動産業者「ライセンスを取得せずに営業しているホテルは実際にあるようです。でも、弊社では、そうした案件は取り扱わないようにしています。」

弁護士「ホテル営業にはホテルライセンスが必要ですね。ライセンス無しで営業している実例はあるようで、今は取り締まりはされていないようですが、将来も取り締まりをされないという保証はないと思いますよ。」

どの国にもグレーゾーンはあるようだけれども、外国人がグレーゾーンでビジネスをするのは難しいか?

さて、「ホテルライセンスは無いが実際に営業しているホテル」という物件を前に、二つの考えが揃いました。

考え方1:ホテルにはライセンスが必要である。ライセンスが無いホテルは買収ターゲットとして重大な欠陥があり、買収に値しない。

考え方2:ホテル業にはライセンスが必要とはいえ、ライセンス無しに営業しているホテルはいくらでもある。実際にこのホテルもライセンス無しに営業できている。気にする必要はない。

正直、こうしたライセンス無しホテルの営業はグレーゾーンビジネスと言えそうです。

アドバイザーとしてお客様のお手伝いをしている弊社としては、考え方1・考え方2を並べて終わりでも良いのかも知れませんが、何らかの助言をしたいところです。

そこで、お客様に不快な気持ちをさせてしまう可能性のあることを承知のうえで、以下のようにお話しました。

●●様が仕事をされているパチンコ業界も、失礼ながら、グレーゾーンのビジネスと言われることがあると思います。でも、●●様は、長年、このビジネスで成功を収めていらっしゃいます。ですから、グレーゾーンのこのホテルのビジネスもできないとは思いません。

でも、グレーゾーンのビジネスでは、黒のゾーンに落ちないため、規制当局の方々との折衝、阿吽の呼吸での対応もいろいろ必要なのだろうと思います。

日本語で話し合えるビジネスであれば阿吽の呼吸での対応もできると思いますが、言葉も文化も異なる異国で、できるでしょうか。。。

お客様は、しばらく悩まれた後、「このホテル買収は止めよう!」と決断されました。

外国で投資をするとき、少し胡散臭いくらいの案件であるほど、表には出回っていない凄い案件が自分のところに来た!と思ってしまう人も多いのですが、少し慎重すぎるくらいに判断することで、大失敗を未然に防いだケースと言えそうです。

香港の資産管理会社設立・東南アジアへの移住・投資をご検討の方、ぜひ、OWL Hong Kong Limitedにご相談ください。

問い合わせ先(OWL Hong Kong Limited):info@owlhongkong.com

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